さつま芋の美味しい季節。おやつやおかずに大活躍ですが、切った時や加熱した時に黒くなったり緑になったりしますね。
黒や緑はなんとも不味そうな色です。
さつま芋の成分が引き起こしている化学反応は味や見た目が良くありません。
美味しいさつま芋を楽しむために買う時の選び方も合わせて、変色の原因と防止策を紹介します。
せっかくの季節の味を、美味しく楽しむ手助けになりましたら幸いです。
さつま芋を切ったら変色した!
大学芋や天ぷらにする時は皮つきのまま切りますか?
切った後は水に晒しますが、切ると白い液体が出たり、しばらくすると年輪のように皮に沿って黒く色が変わることがあります。
これはさつま芋の成分が化学反応を起こしているためなんです。
【クロロゲン酸】
ゴボウやリンゴなどにも含まれているのですが、灰汁とよばれるものです。
ポリフェノールの一種で、活性酸素を取り除きシミやしわを防ぐ効果がある女性にはとっても嬉しい成分ですね。
このクロロゲン酸が空気中に微量に含まれるアルカリ性のアンモニアと反応して黒や緑色に変化するのです。
皮の近くに含まれているために年輪のように変色するんですね。
食べてもかまわないのですが、灰汁なので苦味があります。
皮を厚めに剥いてから、水につけて灰汁抜きをしましょう。ボウルなどに水を用意して、切った側から水に漬けます。
水に漬ける時間は15分~20分くらいがいいでしょうね。たっぷりの水で空気に触れる所がないようにします。
【ヤラピン】
さつま芋を切った時に出る白い液体です。
空気に触れると黒くなります。切り口全体が黒くなるのはこのためです。
効果は便秘改善で便を軟らかくする働きがあるので、食物繊維と共にお通じを良くしてくれます。
防止策はやはり水に漬けることです。
この2つの成分が変色の原因です。
まとめると
たもの
・防止策は、切った側から水に漬ける
・変色しても食べられるが、味は落ちる
さつま芋を加熱したら変色!
天ぷらにした時にも変色することがあります。
黒というよりも緑色に近いです。
原因は衣に使う天ぷら粉に有ります。
「天ぷら粉」として売られている物には、重曹やベーキングパウダーが配合されてサクッと揚げられるようになっています。
重曹は炭酸水素ナトリウムで弱アルカリ性なので、クロロゲン酸が反応して変色します。
ベーキングパウダーも重曹から作られているので共に反応します。
てんぷらにする時は天ぷら粉ではなく小麦粉を使いましょう。
因みに、カラッと揚げるコツは
・衣に卵ではなくマヨネーズを使う
・小麦粉が少し残るくらいに混ぜる(冷たい水や氷でボウルを冷やしながら)
・温度は160℃~170℃(菜箸をいれてみて泡が上がるくらい)
・さつま芋の水気をしっかり取る(キッチンペーパーを使うと良い)
・一度に沢山揚げない(さつま芋が泳ぎ回るくらい)
揚げ上がりのサインは金属音がした時といわれますが、聞き逃してしまいそうで不安だという場合は竹串や菜箸をさしてみましょう。
スッと抵抗なく入るとOKです。
その時のあわの状態や色を覚えて置くといいですよ。
水気はしっかり取って下さいね。油の跳ねは火傷します。キッチンも汚れますしね。
まとめると
酸と反応して変色する。
・衣に重曹などを使わず小麦粉を使う
買う時に良いのは太い芋?細い芋?
変色はさつま芋の性質だということがわかりましたが、買う時に気を付ける点をご紹介します。
安納芋・紅はるか・クイックスイート・シルクスイート
など
・重みとつや...同じくらいの大きさのときは、ずっしりと重みを感じる方
・両端の切り口...両端の切り口の辺りにべたつくような蜜が溢れだしているもの、
乾燥して黒くなっていてもOK
・凸凹がなく綺麗な形...表面がツルっとしているもの
・ひげ根が生えている窪みが浅いもの
・真中あたりがふっくらと膨らみがあるラグビーボール状のもの
濃い紫色をしたぷっくりしたさつま芋は見ただけで美味しそうですね。
安納芋は小さく丸い芋です。紫色はしていませんが、重みや蜜の有無で判断するといいですよ。
避けたほうがいい芋は
・表面に黒い斑点があるもの...低温障害になっているので味が落ちている
芽が出るほど店頭に並べないとは思いますが、もし見つけたら安くても買わない方がいいですよ。
さつま芋は保存した時に15℃を下回ると低温障害を起こし、表面ばかりでなく中も黒くなります。
皮を剝いたら黒い所があったりしたら低温障害を起こしたものかも知れません。
どちらも食べられますが、味は落ちています。安いからといって安易に買わないようにしましょうね。
土付きのものを買ったら、洗わないでください。
水分で早く腐ります。
手で簡単に土を落としたら、風通しのいい所に一本ずつ新聞紙にくるんで保存しましょう。
気温が30℃以上になるような真夏は冷蔵庫に入れた方がいいですが、冷蔵庫には入れないでくださいね。
まとめると
・ひげ根が生えている窪みは浅い方が良い
・両端に黒い蜜が染み出ているもの
・芽がでていたり黒い斑点があるものは避ける
・冷蔵庫には入れない
値段だけでなく芋を良く見て買いましょう。
まとめ
変色の正体は灰汁だったということがお分かり頂けたでしょうか。切ったあと水に晒すだけで綺麗なさつま芋になります。
ひと手間かけて美味しいさつま芋を楽しんで下さいね。
最後までお付き合いくださり有難うございました。