子供を産む母親の9割が母乳保育を希望しています。母乳は栄養面のみならず、母子の精神面での利点があります。経済的でもあります。しかし、毎日飲むし好品のコーヒー等に含まれるカフェインは、ともすれば子供に悪い影響が出てしまうかもしれません。海外では、1日のとっても良いカフェインの量を勧告しています。
目次
- 1.授乳中のカフェインの影響
- 2.授乳中はコーヒーを飲んではいけないのか
- 3.カフェインが含まれている飲み物
- 4.コーヒーはいつ飲むのがいい?
- 5.授乳中のカフェインレス飲料
授乳中のカフェインは摂りすぎると、赤ちゃんに影響があります。
平成27年度の厚労省の調べでは、母乳で育てたい、できれば母乳で育てたいと答えた母親が約9割との結果が出ています。
専業主婦に限らず、働くママにも母乳育児が栄養的に優れているとの考え方が増えていることがわかります。
母乳の利点
・栄養の吸収が良い
・ウイルスや細菌の感染予防に重要な成分が含まれる
・抱っこ、お乳を吸われることで、子供を愛おしいと思う
・お乳を吸い母親の鼓動を聞くことで、子供は安心感を得られる
・経済的
母乳の出かたには、個人差があります。初めから溢れるほど出るママや、初めはなかなか出なくても吸わせているうちに出てくるようになったママ、頑張っても出ないママなど様々です。
それでも9割のママは母乳で育てたいと思っているということは、母乳は何物にも代えられないものであることを知っているのだと思います。
母乳の栄養は、ママが食べたり飲んだりしたもので作られます。当然コーヒーなどに含まれるカフェインも母乳を通して赤ちゃんの体に入ります。
1杯のコーヒーのカフェインは微量でも、3杯、4杯と飲んでいるとカフェインの量も増えてしまいます。
子供への影響
・昼寝の時間が短くなった
・夜なかなか寝付かない
・興奮状態になった
全ての赤ちゃんではないにしろ、影響が出る可能性があります。海外では妊婦の1日のカフェインの総量を200mg~300mgに抑えるように勧告されているほどです。日本では注意喚起にとどまっていますが、外国より小柄なため1日の総量を200mg以内が望ましいとされています。
カフェインを摂ると、15分~30分で母乳中に出ます。その後1~2時間で大半が母乳中に移行します。その量は、0.06~1.5%と報告されています。
ママの体に入ったカフェインは5時間程度で半分になりますが、新生児では半分になるのは98時間後、3~5か月の赤ちゃんでは約14時間後とされています。すべて出てしまうのにはかなりの時間がかかってしまうのですね。
ママが毎日カフェインを摂ると、赤ちゃんの体に蓄積されていきます。たまに飲む分には構いませんが、習慣的にたくさん飲むのは控えた方がいいのではないでしょうか。
授乳中はコーヒーを飲んではいけない?
カフェインが悪者になってしまっていますが、1口も飲んではいけないということではありません。
コーヒーは元々薬として飲まれるようになったもので、様々な利点があります。
・覚醒作用
・血管拡張作用
・基礎代謝促進
・胃酸分泌促進
・利尿作用
・計算力、記憶力の向上
・疲労の抑制
・運動能力の向上
頭が冴えて、体が動くようになるということでしょうか。
子育てはとても忙しいです。2時間おきの授乳は夜中でも変わりません。疲労からストレスが溜まり、イライラして赤ちゃんにかえって悪影響を及ぼしてしまうでしょう。
母乳は出ないのではなく足りないのだ!原因は母乳分泌不足と病気?
海外では1日の飲んでいい量を示しています。ただ、カフェインの処理能力は個人差があります。飲みすぎになる基準は一概に設定できないので、なるべく少なめにとるようにしましょう。
カフェインが含まれている飲み物
コーヒーはカフェインが含まれる飲み物の代表格になっていますが、他にも普段よく飲むものに含まれています。それぞれには上限値が設定されています。
・紅茶...マグカップ(200ml)3杯
・緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶...マグカップ5杯、ペットボトル(500ml)2本
・玄米茶、番茶...マグカップ10杯、ペットボトル4本
・抹茶...湯呑(70ml)4杯
・玉露...100mlを1杯
玉露は特に多く、100mlで160mg含まれているので、注意が必要です。
また、清涼飲料水に苦みを加えるために添加物として使われてもいます。
・コーラ
・エナジードリンク
・眠気覚まし用のドリンク
エナジードリンクは製品によっては、コーヒー2杯分に相当するカフェインが入っているものもあります。注意しましょう。
カフェインが入っている食品は、それだけではありません。
・ココア
・チョコレート
原料となるカカオに含まれています。板チョコ半分くらい(25g)で、ミルクチョコレート約7mg。ハイカカオチョコレート(カカオマス70%)では約21mgとレギュラーコーヒー1杯分の約1/5です。
ココアパウダーは5gに約7mg含まれています。濃いココアをがぶ飲みすることは控えましょう。
普段し好品として、食後や休憩時の飲み物にカフェインは含まれています。コーヒーだけしか飲まないというわけでもないですから、総合した量が200mg前後になるようにしましょう。
コーヒーはいつ飲むのがいい?
カフェインなどの成分は、飲んでから2時間くらいが母乳中に出やすいです。授乳後に飲むと次の授乳までに数時間あるので、カフェインの分解が進んでいると思われます。新生児のうちは、2時間おきの授乳になります。この期間は、コーヒーは避けた方がいいのではないでしょうか。
授乳はとても喉が渇きます。水分を大量に出してしまうので、ママが脱水状態になってしまいます。母乳は水分が主です。水分はできるだけ摂りましょう。水分をたくさん摂ることでおいしい母乳になりますよ。
ただし、ここでコーヒーをたくさん飲んでしまうと次の授乳までにカフェインが分解されないうちにまた摂ることになるので、赤ちゃんに行くカフェインの量が多くなってしまいます。水かお茶を飲むようにしましょう。
5か月くらいになると、間隔がだいぶ長くなりますし、離乳食も始まります。授乳後に1日朝1杯飲む程度にしてみてはいかがでしょうか。
授乳中だからと大好きなコーヒーを断ってしまうと、かえってストレスが溜まってしまいます。特に朝のコーヒーはやめられませんよね。体を目覚めさせるためにも、朝1杯のコーヒーは飲んでも構わないと思います。
妊娠中から少しずつ薄めていってあまり飲まなくてもいいようにしていくなど工夫をしてみましょう。
授乳中のカフェインレス飲料
カフェインが90%以上除去されているか、まったく入っていない食品を「カフェインレス」、「デカフェ」、「ノンカフェイン、カフェインフリー」といいます。
カフェインレス、デカフェ
元々カフェインが入っているコーヒー、紅茶、日本茶などからカフェインを除去したものをいいますが、世界的には「デカフェ」が一般的で日本では「ノンカフェイン、カフェインフリー」、「カフェインレス」と呼ばれています。
海外ではデカフェの需要が多く、10%以上ある国もあるほどです。美容や健康、安眠や癒し、カフェイン摂取量の制限などで飲んでいる人が多く、ホット・アイスコーヒーと同じように飲まれています。
日本ではカフェインレス(デカフェ)コーヒーの需要が1%と少ないため、カフェインの含有量の規定はありませんが、需要が多いスペイン、アメリカ、ヨーロッパでは一定の規格が設けられています。
・コーヒー豆中の0.2%以下
・インスタントコーヒーは0.3%以下
デカフェとはフランス語の発音からの呼び方で、カフェインレスコーヒーと同等の意味で使われています。日本ではカフェインレスの表示がされています。
ノンカフェイン、カフェインフリー
元々カフェインが全く含まれていないもので、麦茶、黒豆茶、ローズヒップティー、たんぽぽ茶、ネトルティー、レモングラスティーなどです。
カフェインレスとデカフェはごく少量ながらカフェインが含まれています。コーヒーは控えたいけど、風味は楽しみたいという人におすすめです。
まとめ
カフェインは体に合わないとか、心配だから摂りたくないという人にはノンカフェイン、カフェインフリーがおすすめです。
1日1杯レギュラーコーヒーを楽しんだら、そのあとはデカフェなどで水分補給をするとストレスもたまらず穏やかに赤ちゃんと向き合えるのではないでしょうか。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。