青森県の小さな村、田舎館は人口8000人あまりの水田が広がる何もない村です。
昭和56年に約2000年前、弥生時代の水田跡(垂柳遺跡)が発見され、2種類の米も発見
されました。黒い米と黄色い米です。
その米と現在の米、つがるロマンを使って田んぼに絵を描くように植えてみた、「田んぼアー
ト」の誕生です。
今では日本全国に広まっていますが、元祖田んぼアートの「田舎館田んぼアート」をご紹介し
ます。色を出す稲の種類も増え、かなり進化しています。
田舎館田んぼアートの米の色は?
田んぼアートで使われる米は田舎館村で昭和56年に発見された「垂柳遺跡」から見つかった
古代米と現在栽培されている青森県の米「つがるロマン」です。
発見された米は黒と黄でした。これでなにかできないかと考えた役場職員は、稲作体験ツアー
を始めたんですね。
当初は村役場の東側の約1.5haの水田に緑・黒・黄の3色で津軽の御山「岩木山」と文字「稲
文化のむら いなかだて」だったので「稲文字」と呼ばれていたんですよ。
そして、回を重ねて11回目の平成15年。
絵画「モナリザ」に挑戦です。
ところが、まだ遠近法というものを取り入れていなかったものですから、かなり不評でしたね
ぇモナリザが肥ってしまったんです。(津軽弁で「みったぐねぇ」..格好悪いの意味です。)
で、奮起した職員達は平成16年から遠近法を使い棟方志功や写楽の作品に挑戦してきたんで
すね。ここから快進撃です。
平成18年に7色10種類となり、色のバリエーションが増えました。より鮮やかにリアルになっています。
黄色 黄大黒
緑色 つがるロマン、晴天の霹靂、華想い、あさゆき
白色 ゆきあそび、青系赤174号
橙色 あかねあそび
赤色 べにあそび、赤穂波
濃緑色 緑大黒
第27回令和元年のテーマが4月18日に発表になりました。
・ガラピコぷ~
村役場隣の第1会場では道路を挟んだ2面を使って、「おしん」の名場面が再現される予定です。
おしんが奉公のために川を下っていく涙無くしては見られなかったあの場面です。
おしん役の小林綾子さんと母親役の泉ピン子さん、父親役の伊東四朗さんの3人の姿が約1万5千㎡に描かれます。
冬のシーンで、ピン子さんが川の中までおしんが乗った小舟を追いかけるシーンが今でもはっきり思い出されます。
NHK連続テレビ小説なので、朝と昼に放送されます。会社のテレビで観て、感動の涙を抑えるのに必死でした。
もちろん上司も一緒に観ていましたので、涙は隠さないと恥ずかしかったんです。
道の駅いなかだての第2会場約1万㎡に描かれるのは、NHKの幼児向け番組「ガラピコぷ~」です。
ガラピコの他にチョロミーやムームーなど、計6体が登場です。
大人だけでなく子供にも楽しんでもらえるようなテーマになっていますよね。
今回は出演者にも観て頂けるかもしれませんよ。もしかしたらガラピコに会えるかも!
第1会場は5月27日から観ることができますが、第2会場は6月15日から観ることができます。最終日は10月6日です。
田んぼアートの一番の見頃はいつ?
では、一番の見ごろの時期はいつなのか?
6月に植え付けた稲の色がはっきりわかるのは7月初め頃、この頃には絵柄がはっきり出てい
ます。そして稲の隙間がなくなり、発色が最も良いのが7月中旬~8月中旬くらいです。
8月の始め頃には穂が実り始めているので、8月中旬の見頃を過ぎると稲穂が黄金色になって
いきます。この頃も色の移り変わりがセピア風に変わってくるので、また違った味わいがあり
ますよ。10月になると背景部分のみ刈り取るので、絵が浮かび上がってくるんですね。
その後、一週間程で観覧終了になります。
一番の見頃時期が夏休みやお盆、ねぶた祭りなどの夏祭りと被るので、あえて時期をずらして
もその時だけの色合いを楽しめるのでハズレはないと思いますよ。
背景の稲刈りが終わった頃の絵だけを見るのもいいかもしれませんね。
田舎館田んぼアートはどれくらい混雑する?
田舎館は人口8000人余りの小さな村です。村役場もそんなに大きくありません。
展望台に上がるエレベーターも定員10名が1機のみです。
未就学児と障害者・介助者1名は無料
小学生 100円
中学生以上 300円
展望台は4階展望デッキですが、ここの役場には「天守閣」があるんです。
天守閣は6階なので、4階で入館券を買って下さい。
料金は小学生100円、中学生以上200円です。
天守閣のみの観覧はできないのでご注意くださいね。地上から21mの高さです。五所川原た
ちねぷた並ですね。
期間中20万人が訪れるのですから、混雑が予想されるところですが、最も混雑するのがお盆
の頃ですね。
観光客に加え、親戚や友人を案内して来られる方ももちろんいらっしゃると思います。
平日でも朝8時か8時半には並んでいます。
学校が夏休みに入ると数十分の待ち時間です。ねぶた祭り期間も混み合いますが、なんといっ
てもお盆のころは最大1時間待ちになったりします。
待ち時間が1時間を超えると当日のみ有効の整理券が配布されるので、第1会場横の「田んぼ
アート商店街」、3㎞程離れた第2会場に行ってもいいですね。
第2会場のすぐ側には「道の駅弥生の里」があるのでお土産も買えます。
その他、「石アート」も観覧できます。その名の通り、石で描いた絵です。こちらも上から見るアートになっているので展望台から見てくださいね。
第1会場~第2会場までは約3㎞、車で5分程です。
車でない方は、1時間に1~2往復しているシャトルバスを利用すると便利ですよ。
シャトルバスは途中、遊稲の館や埋蔵文化財センターにも寄ります。
こちらも覗いてみてね。
バスの名前は「たさあべ号」、津軽弁で「田んぼにおいで」です。
た(田んぼ)さ(に)あべ(おいで)!!Go!
まとめ
弥生時代の水田跡から見つかった米から考えだされた田んぼアートは稲文化を大事に継承して
きた田舎館だからこそ生み出されたものだと思います。
食糧として栽培していた米が2000年を経て、まさか絵になろうとは弥生人達も想像してい
なかったでしょう。
青森県の片田舎での壮大なアートは進化し続けています。
是非一度足を運んでみて下さい。
最後までお付き合い下さりありがとうございました。