1990年代からレジ袋削減を目的に「マイバッグ運動」が始まり、今や8割以上の消費者が持っています。
そして環境問題が深刻化してきた今は、エコバッグの必要性が高くなってきています。
エコバッグといわれるものには、どんな素材が使われているのでしょうか。
トートバッグとエコバッグの違い、エコバッグの選び方やお手入れの仕方をご紹介します。
トートバッグとエコバッグはどう違う?
1944年にアメリカのL・L・ビーン社が開発したトートバッグがレジ袋削減を目的に使われているものをエコバッグと呼んでいます。
トートバッグが開発された目的は、食品を冷やすために必要だった氷を運ぶ事でした。まだ冷蔵庫が無かった時代です。
そのため、大きく丈夫でなければいけなかったため、キャンバスで作られ口が大きく開いた形でした。取り出しやすく氷が溶けても水が漏れにくいからです。
これがキャンパー達の間で流行し、運ぶという意味の「トートバッグ」と呼ばれるようになります。
すると毎日大量の教科書を持ち歩く大学生が、丈夫で持ちやすいトートバッグを使い始めました。
その後アメリカの若者たちの間で大流行したのは言うまでも無く、日本でもチノパンやローファーと共に「アイビールック」の定番アイテムとして取り入れられました。
現在は素材の種類も増え、ファッションアイテムとして定着しています。
素材がナイロンやポリエステルなどの薄いトートバッグは、折りたためて持ち歩きが容易なためエコバッグとして使われたのは自然の流れといえます。
物を運ぶためのトートバッグを買い物専用にしたものをエコバッグと考えることが出来ます。
保冷機能付きでたためるエコバッグ?
では、エコバッグの機能について考えてみたいと思います。
レジ袋は単に食品等を運ぶためのものなので、買ったものが入ればそれでいいのですが、買い物専用の袋となるとストレスなく安全に運べなければなりません。
レジ袋の欠点としては、中身が見える・ごちゃごちゃになる・冷蔵や冷凍食品が溶ける・持ち手が手に食い込む・破ける、などです。
中身が見える、は他の袋にするだけで解決できます。
ごちゃごちゃになる→底板や仕切りがあるものにする
持ち手が手に食い込む→持ち手を太いものにする
冷蔵・冷凍食品が溶ける→保冷効果があるものにする
特に保冷効果は1年中必要かとなりますが、移動距離や移動時間が長いと冷蔵・冷凍食品は溶ける可能性が出てきます。そこで保冷効果が重要となります。
保冷バッグとして売られていても、それ自体は冷やす機能はありません。
保冷剤や氷を入れることで内部が冷えて、食品を守ることになります。
車を使う場合でも、JAFの調査で春の気温23.3度で車内温度は48.7度(14時頃)、秋の比較的過ごしやすい天候でも、日が差すと車内温度は50度以上になることが分かっています。
夏の車内温度は、サンシェードで対策していたとしても45度が車内の平均温度です。
冬は暖房を使うので食品も温められてしまいます。
なので保冷効果は、1年中必要と言えます。
冷凍食品を氷の代わりにしたとしても、15分~20分程なら完全に溶けてしまうことは無いですが、冷凍食品は一度溶けると品質が落ちるので、氷を使うことをおすすめします。
バッグの中に保冷剤を入れるためのポケットが付いていると使いやすく食品を入れた後でも差し込めるので便利です。
保冷バッグはその造りから持ち歩きにくいイメージですが、内側にアルミ素材を使っているものは折りたたみ可能なタイプもあります。
また、手作りすることも出来ます。
手に覚えのある方は手作りしてみてはいかがでしょうか。
不織布のエコバッグって洗える?
エコバッグとしての素材は主な物で9種類程あります。
・キャンバス...平織の厚手で綿又は麻で織られている帆布(はんぷ)
・不織布...ポリプロピレンの繊維を絡みあわせたシートで、軽く安価で強度がある
エコ素材
・ポリエステル...一般的なエコバッグで、厚手のものは強度があり、長く使える
・デニム...インディゴに染色された縦糸と染色していない糸を横糸に綾織りした
生地
・ナイロン...高い弾力性があり皺になりにくく、速乾性があり軽量
・麻...シナノキ科に属する植物の皮の内側からとった繊維で、弾力性はなく硬め
・フェルト...ポリプロピレンを薄く板状に圧縮したもので、断熱・保温・クッショ
ン性に優れている
・エチレン...ポリエチレンよりも柔らかく、耐久性に優れ劣化しにくい
エコバッグは食品を入れるので、常に清潔にしておく必要がありますが、洗濯出来るものや拭くだけで汚れが落ちるものなどお手入れは難しいものではありません。
そこで迷うのが「不織布」です。
不織布のお手入れはどうしていますか?安価なので使い捨てとしていませんか?
強度がある素材なので、繰り返し使えると無駄にならず経済的です。
洗い方に注意すれば洗濯出来るものなので、捨てる前に試してみて下さい。
・洗い桶にぬるま湯(約40℃)を入れ、洗剤を溶かす
・優しく押し洗い
・すすぐ
・タオルで挟んで、洗濯機で30秒~1分脱水
・シワにならないように伸ばして干す
【洗濯機】
・洗濯ネットに入れる
・手洗いコースで短時間で洗う
・タオルで挟んで30秒~1分脱水
・シワにならないように伸ばして干す
アイロンは掛けると溶けるので使わないでください。
まだ濡れているうちにきちんとシワを伸ばしておくと、乾いてもくしゃくしゃになりません。
エコバッグくらいの大きさなら、手洗いの方が簡単です。脱水も洗濯機を使わずタオルで挟んで水気を取って、干すと楽です。
まとめ
エコバッグの特徴が分かりましたでしょうか。
レジ袋よりエコバッグが便利と思って頂ければ幸いです。
環境問題ばかりではなく、無駄な袋が家に溜まるのも見直してみてはいかがでしょうか。
最後までお付き合いくださり有難うございました。