秋も終りが近づくと、気になってくるのが御歳暮です。1年間お世話になった方には感謝の気持ちを伝えておかなければなりません。結婚後初めての御歳暮ならば、夫婦それぞれの実家に贈ることをおすすめします。
贈る相手に決りはないものの、時期はマナー違反にならないように気を付けなければいけません。12月20日までに贈るもの、大晦日に合わせて贈るものなど品物によって違いがあります。
タイトル:御歳暮が持つ意味とは
お歳暮の意味は「年末の贈り物」。
一年間お世話になった方への感謝の気持ちを表すために、歳の暮れに贈るものです。
本来は夏に贈るお中元と同じ様に、祖先の御霊を祭る際に贈るものですが、御歳暮は来る新年に向けて福神様を呼び込むためのお供え物として、分家や嫁いだ子どもが親元に手渡しで贈っていました。
当時の品物は米や魚などが多く、福神様と同じ物を食べることで贈られる人が、神様との距離を近くすることができると考えられていたからです。
年越しに必要な「塩鮭・鰤・餅」や、年神様のお神酒のつまみになるような「かずのこ・するめなどの珍味など日持ちするものを、12月31日に直接持っていきました。
その後、年末に感謝の気持ちを表す贈り物として、武士の間では組頭へ、商人達は取引先へ持参してあいさつ回りをするようになり、「歳暮回り」の習慣ができていきます。その時に持っていく贈り物を「御歳暮」と呼ぶようになりました。
また、政府の役人は自分の生活を約束してもらいたくて、高価な贈り物を上司にするようになり、明治30年代には親や親戚だけでなく、お得意先やお世話になった方にも御歳暮を贈る習慣が定着していったのです。
お歳暮は、時にはお願いの意味を持ちながらも今も続けられている風習です。感謝の気持ちを表す事は大切なことです。誕生日やお祝いのプレゼントとは意味が違うので、ささやかでも贈るようにするといいのではないかと思います。
タイトル:御歳暮は誰に贈る?
本来お歳暮を贈る相手は親や本家ですが、現代では誰に贈るという決り事は無く、お世話になった方に贈る年末の贈り物と考えるのが一般的です。
・離れて暮らしている両親
・実両親・義両親
・親戚
・会社の上司
・親しい友人
・恩師
・仲人
・今年も良い関係を続けたい人
離れて暮らしている両親
離れて暮らしていると、親の有難さを実感する場面はよくあるのではないでしょうか。毎日忙しく過ごしていても、年の瀬になると思いだす人は少なくないと思います。熨斗を付けたお歳暮品でなくても年内に贈り物をすると、それだけで親孝行になります。贈ってみて下さいね。
実両親・義両親
結婚して家庭を構えると、家としてのお付き合いが始まります。たとえ同居しているとしても、世帯は違います。結婚したら、まず贈らなければいけない相手ではないでしょうか。高価なものは必要ないので、無理のない範囲でお歳暮として贈りましょう。
親戚
一番悩む相手ではないかと思います。結婚式に招待した親戚には贈っておきたいところですが、自分の側はわかるとしても、相手の親戚は夫や妻に聞いてみないと思わぬトラブルが起こりかねません。最初は一番近い親戚に、留めておくと無難だと思います。
会社の上司
会社によっては、受け取ってはいけないなどの社内規定があります。贈ってはいけない相手だと受取拒否をされる場合があります。気まずくならないように慎重に決めましょう。
親しい友人
今までもこれからもお付き合いしていきたい相手なら、お返しがなくても腹が立つか立たないかで決めるというのはどうでしょうか。友人とのお付き合いを考える機会、と捉えてみてはいかがでしょうか。
恩師
今までの生き方に、少なからず影響を与えてくれた相手だと思います。連絡先がわかっているのであれば感謝の気持ちは伝えておきましょう。プレゼントとしてではなく、お歳暮として熨斗をつける事は忘れてはいけません。
仲人
結婚後3年間は贈るのがマナーです。親戚が仲人を務めてくれた場合は、親戚としてのお付き合いもあるので、大事にしたい相手です。
今年も良い関係を続けたい人
仕事やプライベートに関係なく、今年も良い関係でいたい相手。取引先だったり、習い事の先生だったりと関係を壊したくない相手。お世話になっていますと素直に言える相手になるのではないでしょうか。
タイトル:御歳暮を贈る時期は決っている?
本来は12月13日~12月20日までに届くように贈るものでした。今は11月末から贈り始めるのが一般的です。デパートやネットショップなどの、早期割引を利用すると費用を抑える事ができます。贈る相手が多いのであれば、利用してみてはいかがでしょうか。
11月に注文する時は、届く日を指定しましょう。あまり早く届いてしまっては、受け取る方も困惑してしまいます。必ず確認しましょう。
最近では年越しを海外で過ごす人が増えています。また、夫婦どちらかの実家で過ごすという人も少なくないのでは?年末は留守にする家庭にはあまり遅く届けると迷惑になることもあります。
関東では12月初旬~12月31日、関西では12月13日~12月31日と、地域によって贈る時期に違いはあっても、12月20日までに届くようにすると喜ばれるのではないでしょうか。
気を付けなければいけないのは、お正月用にと生鮮食品を贈る場合です。20日に届いてしまうとお正月には使えません。12月31日までのなるべく遅い時期に届くように贈りましょう。
12月20日以降のお歳暮
時期が過ぎてしまっても、贈るべきと思う相手には迷わず贈りましょう。事前に都合のいい日を聞いておくと、無理なく受け取ってもらえますね。
・12月31日までは「お歳暮」
・1月1日~7日までは「お年賀」
・1月8日~2月4日までは「寒中御見舞い」「寒中御伺い」
のしの表書きはこのようにしましょう。また、相手が喪中の場合があります。お祝い事ではないので、贈ることはマナー違反にはなりません。元日以降に届くのであれば、1月7日までの松の内は避けるようにし、「寒中御見舞い」として贈りましょう。
まとめ
感謝の気持ちを伝える年末の贈り物は、自分が大切にしたい相手に贈りましょう。初めてのお歳暮は相手を決めるのにとても迷いますが、お歳暮は感謝の気持ちを伝えるものです。お互いの両親への感謝の気持ちは持ち続けていきたいものです。
あまり範囲を広げてしまうと、お付き合いの仕方が粗末になってしまうかもしれません。予算の範囲内でできるようにすることが大切です。感謝の気持ちはきちんと伝えましょうね。
最後までお付き合いくださり有難うございました。