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日本人は髪を洗い過ぎているといわれています。1日1~2回は髪や頭皮に悪いといいますが、それはシャンプー剤やトリートメントなど市販されているものの成分が原因のようです。
そのことから、最近はお湯だけで洗う「湯シャン」を始める人が増えてきています。しかし、正しい洗い方やコツを知らないと、思わぬトラブルが起こる場合があります。
湯シャンで汚れは落ちない?
湯シャンはシャンプー剤を使わずお湯だけで洗う方法です。汚れが落ちない、スッキリしないと思われるのですが最近増えているようです。
・脂漏性皮膚炎がある
・オーガニックに目覚めた
・シャンプーに月1万円以上かかる
・とにかく楽をしたい
・フケ、抜け毛、薄毛、白髪を改善したい
・市販のシャンプーで洗うと髪がパサパサになって広がってしまう
様々なきっかけで湯シャンを始めても、ベタつきやかゆみ、臭いなどが気になり止めてしまう人も少なくありません。
手順は実に簡単です。
1.手・ブラシで丁寧に髪をとかす
2.シャワーのお湯で頭全体をマッサージするように洗う
3.タオルで水分をふき取る
4.自然乾燥又はドライヤーで乾かす
これだけです。単純な方法ですが、湯シャンを成功させるにはちょっとしたコツがあります。
手・ブラシで丁寧に髪をとかす
ブラシはナイロン系より猪毛(獣毛)or竹製の先が丸くなっているもので、毛先から髪のもつれをほぐしていきます。
だんだんと頭皮の方にブラシを通していき、頭全体に適度な刺激が伝わるようにブラッシングしていきます。
あまりやりすぎず、髪の毛につやがでてきたらOKです。こうしておくと皮脂が落ちやすくなるので、必ずして下さい。お湯をサッとかけてから湯船に入ると落ちやすいとの意見もあります。
シャワーのお湯で頭全体をマッサージするように洗う
指の腹でマッサージするように洗うのですが、皮脂を落としきろうと必死に洗うのはダメです。皮脂は落とし切ることはできないので、それよりも頭皮全体をマッサージすることが大事です。
上を向く、うつむくなど髪の流れを変えるとまんべんなく洗うことができますよ。
髪が長いとまとまってしまい、なかなか全体にお湯を行き渡らせることができませんね。ナイロン・プラスチック系のブラシでとかしながら洗いましょう。
猪毛のブラシはお湯につけてはいけませんよ。竹製のブラシはカビの原因になる可能性があるので、これも使わないようにして下さい。
お湯の温度は34~35℃が理想ですが、冬場は冷たく感じる温度です。風邪をひいては元も子もないので、ちょっと温く感じる温度でいいです。
あまり温度を高くすると頭皮が乾燥しやすくなるため、余分な皮脂が分泌されてしまいベタつきの原因になってしまいます。
寒くならない程度の温度にしましょう。人それぞれで良いのです。
洗う時間は8~10分位が良いのですが、もう良いかなと思ってから一洗いする位でいいです。続けていく中で、自分に合った時間を決めていくといいのではないでしょうか。
最初のブラッシングが十分できていないと時間をかけて洗っても皮脂は落ちないので、ブラッシングは丁寧にしましょう。
タオルで水分をふき取る
シャンプーで洗う時と同じく、タオルドライをします。髪の毛を擦り合わせないようにタオルでポンポンと軽く叩くようにします。長い髪は、挟み込むようにしてポンポンします。
できるだけ水分を取っておきましょう。
自然乾燥又はドライヤーで乾かす
短い髪は自然乾燥でも良さそうですが、しっかり乾いてから寝るようにします。ドライヤーで乾かす時は、頭皮もしっかり乾かしましょう。
根元に風が当たるようにして、温風、冷風を交互にすると頭皮が熱くなり過ぎずに乾かす事ができます。
湿った状態にしておくとお湯だけで洗っている分、臭いやベタつきの原因になってしまいます。面倒でもしっかり乾かしてから寝るようにして下さいね。
湯シャンは最初のブラッシングが重要です。髪の毛の絡まりをといて、よごれや皮脂が落ちやすいようにしっかりブラッシングしておくと、洗う時間を短くできることで続けやすくなります。3ヶ月位は続けてみましょう。
開始後しばらくはベタつきや臭いが気になります。夏場の汗をかきやすい時期にスタートするのはあまり好ましくはありません。
乾燥する冬場に開始すると、特に臭いがあまり気にならないのではないかと思います。
ただ、人と会う場所やきちんとした場所に出る時は、シャンプーする事をおすすめします。
継続している人の中でも、場合によってはシャンプーを使っています。整髪料を使う時もあるでしょう。お湯だけでは整髪料は落ちませんので、シャンプーで落とさなければいけません。
シャンプーの仕方の記事はこちら
↓
30代女性に多い抜け毛の原因はシャンプーの仕方?病気でも抜ける?
湯シャンは髪がギシギシする?
髪をお湯だけで洗うと、ギシギシしたり絡まったりします。
シャンプーやコンディショナーを使うと指通りがよくなるのであまり気にならなくても、お湯だけで洗うとギシギシや絡まりが気になるようになります。
考えられる原因は、摩擦と水道水の残留塩素。
摩擦
髪の毛の表面はキューティクルで覆われています。水に濡れるとめくれ上がる性質があるため、すすぐことで摩擦が起き、指通りが悪くなりキシキシします。
洗う前に必須のブラッシングも摩擦が起きます。必要以上にブラッシングする事はキューティクルを剥がしてしまうので、やりすぎは良くありません。
水道水の残留塩素
日本の水道水は湧水ではなく、河川の水を消毒して使われています。
塩素(カルキ)を大量に投入して安全な水にしているのですが、蛇口から出る段階で体に害のない濃度になるように調節されています。
地域によって河川の汚れは違うため、投入される塩素の量も当然違ってきます。浄水場がどこにあるかで、各家庭の残留塩素の濃度が違うのです。
高層マンションなどのビルには貯水タンクが付けられています。
溜められた水は雑菌が繁殖しやすいので消毒する塩素の濃度は必然的に高くなると思われます。夏場に水質が悪くなる場合も同様です。
この塩素が髪のキューティクルを傷めていることが、京都の皮膚科医長谷川義博氏が実証しています。
塩素はタンパク質に付着する性質があり、髪の黒色を作りだすメラニンと一緒に溶け出してしまうのです。
どんなシャンプー・トリートメントを使うかなどは関係ないのです。
・潤いがなくなる
・フケ、かゆみの原因になる
・枝毛・切れ毛の原因になる
・赤茶けた色に変わる
キューティクルがダメージを受けると、様々なトラブルが起きてしまいます。
塩素を除去するには煮沸、汲み置きなどの方法がありますが、髪を洗う度に必要な水を煮沸したり汲み置きしたりするのは不可能です。
シャワーヘッドを塩素除去機能が付いたものに交換するなどの対策が必要になってきます。
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塩素除去カプセルが別売りになっています。
湯シャンは臭いしかゆい?
シャンプーはとてもいい香りがします。お湯だけで洗うと当然いい香りはしません。
最初はお湯によって乾燥した頭皮の脂分を補うために皮脂がそれまでより多く分泌されます。臭いが強くなるのです。
そして、シャンプーによって善玉菌まで死滅してしまっているので、悪玉菌ばかりが増えてかゆみが発生します。
臭う人と臭わない人
湯シャンをしている人に、臭う人と臭わない人がいます。それまで洗浄力が強いシャンプーを使っていた人や、ガシガシと強く洗っていたひとに多いようです。
皮膚の免疫機能が皮脂不足と認識して、余分な皮脂を出しているためです。皮脂は酸化し、ノネナールという物質を発生させるために起こる臭いです。加齢臭の原因にもなっているといわれています。
余分な脂を出さないようになるには、およそ3週間~1ヶ月ほどかかりますが個人差がありますので大体の目安です。
それでも半年程経つ頃には頭皮環境が整ってくるので、臭いはなくなってくるはずです。やはり洗う前のブラッシングでおおよその汚れはおとしておくことが必要になってきます。
耳の後ろの臭い
また、耳の後ろも気を付けなければなりません。
この場所は汚れや匂いが溜まりやすく、わきの下やデリケートゾーンにも匹敵するほどとも言われます。体はボディーシャンプーなどであらうでしょうから、ついでに耳の後ろをきちんと洗っておくことをおすすめします。
自分の匂いは気づきにくいものです。周りの人に迷惑をかけていないかセルフチェックをしてみましょう。
1.お湯だけで手を洗う
2.頭皮を何度か指でこすり、匂いを嗅いでみる
手を洗う時は石鹸は使わないようにして下さい。石鹸の匂いで自分の匂いが分からなくなります。
信頼できる友人に率直な意見を聞いてみるのもおすすめです。家族やパートナーはあなたの匂いに馴染んでしまっているので、気付かない可能性があります。勇気を出して聞いてみてくだい。
・一時的にノンシリコンや無添加のシャンプーを使う
・段階的にお湯だけにしていく
・綿の手袋をして洗う
・抗酸化作用の高い食べ物を食べる
・少量のクエン酸や、重曹、塩などをお湯に溶かし洗う
臭っていても周りは我慢しているかもしれません。頭皮環境が整うまでは、周りへの配慮は忘れないようにしましょう。
かゆみ
湯シャンを始めてから気になるようになったかゆみ。このまま続けても大丈夫だろうかと心配になります。でも、頭皮環境が整えば消えていくものです。
・お湯の温度が高い
・洗う時間が短い
・スタイリング剤が落とし切れていない
・皮脂の出過ぎによるカビの繁殖
お湯の温度が高い
湯シャンをするのに適しているお湯の温度は、温く感じる温度とお話しましたが、高い温度で洗った方がすっきりするような気がします。
が、一般に40℃以上だと頭皮が乾燥してしまいます。始めたばかりでは、まだ適度な分泌量になっていないのでかゆみがでる可能性があります。
頭皮環境が整えば治まるものです。40℃以上のお湯で洗うのは控えたほうが良いでしょう。
洗う時間が短い
温めの温度で洗うと汚れも落ちやすいのですが、3分くらいで済ませてしまうのは良くありません。最低6分はかけると良いですね。
最初のうちは時間を測ってみるのもおすすめです。お湯だけなので自分に合った時間を知ることは大切です。
スタイリング剤が落とし切れていない
仕事や人に合う機会がある時に、スタイリング剤を使わなければいけない場合があります。
この成分が残っていると、かゆみが出る確率は高いので、天然成分シャンプーなどの合成界面活性剤が入っていないものを併用するのも良いでしょう。
使う頻度は週3回までを限度にしないと、湯シャンをしている意味がないので気をつけましょう。
皮脂の出過ぎによるカビの繁殖
また、脂性の肌の人はカビの1種マラセチアが急激に増える場合があります。
フケの量が増えたり、刺激の強い食べ物で強いかゆみが出る事があります。
あまり酷い場合は皮膚科に受診した方が良いのですが、これも頭皮環境が整えば治まるものです。
少し温度を上げてみるのも良いのではないでしょうか。熱過ぎは良くありませんが。
湯シャンのし始めに起こるトラブルは、シャンプー剤やスタイリング剤などに慣れてしまった頭皮が、本来の機能を取り戻すための準備段階と捉えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
湯シャンのメリットは頭皮や髪のトラブルの解消に繋がることです。また、シャンプー代の節約や風呂場の排水口が綺麗になります。
デメリットは整髪料などを使った時は落ちにくいので、シャンプーを使わざるを得ない、汚れが付きやすくなる事です。髪の香りがいい香りではなくなることも覚えておかなければいけません。
汚れを落とすポイントはブラッシングです。洗う前ばかりではなく、まめにブラッシングをして綺麗を維持していかなければなりません。
くれぐれも自己満足にならないように、周りの人への配慮も忘れないように湯シャン生活を楽しんで頂ければと思います。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。