十五夜の飾りは主に団子やススキですが、団子は何個でどんな風に飾ればいいのか、ちょっと迷いますね。
お供えものにはそれぞれ意味があります。
地域によっては、団子を飾らないとか団子じゃなくおはぎだよという所もありますが、一般的に飾られるお月見団子とススキについて考えてみたいと思います。
十五夜の飾りの意味は?
お月見に供えられる「ススキ」と「お月見団子」。
それぞれの意味を考えてみましょう。
ススキはイネ科の多年草でカヤとも呼ばれます。古民家の屋根に使われている植物ですが、全国に分布していて高さは2m程の草です。
秋に花穂をつけ、種子には毛が生え風に揺られる姿はよく実った稲穂に似ています。
秋の七草にも数えられ、生け花などにも使われます。
和歌や短歌にも詠われていて、秋の季語になっています。
また、ススキは切り口が鋭いことから魔除けの力があるとされ、お月見の飾りとして供えられたススキを家の軒先に吊るしておけば、一年間病気をしないという言い伝えもあります。
原っぱが多くあった頃は、どこでもススキを取ることが出来たのですが、今はあまり見なくなりました。
河川敷などでは今でも生えているのでしょうか。
姿は稲穂に似て、花としても使われているススキは収穫を祈って月を愛でるお月見にはピッタリですね。
そして魔除けにもなり、家の屋根にも使われています。日常の生活にも密着している植物なのですね。
お月見団子は米の粉で作ります。
十五夜はまだ収穫するには早いのでこれから収穫する農作物が豊作であることを祈ってお供えします。
お月見の日に団子を供える風習は江戸時代に一般的になったようです。
江戸では丸く、京都では芋型だったとの記録が残っています。
丸い形は、月が満ちる姿を摸していてものごとの結実や健康、幸福を表しています。
日本の各地で面白い風習がみられます。
庭先などに飾っておいた団子を近所の子供達が、釣り竿などで盗み取るというもので、より多くの団子を盗ませるとその家は幸せになるといわれています。
まるでハロウィンのようです。
月見団子の数は?
お供えする団子の数は、一年の満月の数である12個が一般的です。
陰暦を使っていた頃は閏年があったので、その年は13個を供えます。
また、地域によっては十五夜なのだから15個を供えるところもあります。
そして、三方(さんぽう)と呼ばれる足付きの台に3段に分けて、下段から9個、4個、2個と重ねます。
三方がある家庭はあまりないと思います。わざわざ用意しなくてもお盆やお皿を使い、白い紙(半紙やてんぷらの敷紙など)を敷いてその上に重ねるといいですよ。
十五夜のお供えの場所は?
お月見団子とススキが準備できたらお月さまから見える場所に飾りましょう。
縁側でも室内の月がよく見える部屋の窓辺などがいいと思います。
日本古来の考え方は「左上位」なので、お月さまから見て左側にススキ、右側に団子を供えるとされています。
左側が上位なので自然界のもの、右側に人工のものを置くという考え方です。
2018年9月24日は東南東から南南西の方向に見えるようです。
お供えした団子はどう食べる?
お供えした団子はきちんと食べましょう。
黄粉やあんこをからませたり、餅を焼く要領で焼いてしょうゆだれや塩をつけて食べても美味しいです。
煮物やうどんなどに入れても意外と美味しいですよ。
次の日には固くなっていると思いますが、レンジや蒸し器で温めると柔らかくなりますよ。
まとめ
ススキには魔除けの意味があるなんて意外でしたでしょうか。
米の粉で作った団子と魔除けのススキは月に収穫を祈るために必要なものです。
今はススキもスーパーなどで売られています。
お団子とススキを飾る意味を知ると、中秋の名月もただ鑑賞するだけでなく、実りに感謝しながら眺めるとまた違った美しさが見えるのではないでしょうか。
最後までお付き合いくださり有難うございました。