戸棚や乾燥物のストック場所を片づけていると、奥の方から昆布の袋が出てきてびっくりしたなんて事はありませんか?
見ると表面にカビ生えていた!挙句に賞味期限は2~3年前だったなんてなったら捨てようかどうか迷いますね。
でもちょっと待って下さい、表面のカビと思ったのが実はうま味成分かも知れません。
その正体と保存方法をご紹介します。
昆布の賞味期限はある?
だし昆布として売られている昆布は乾燥した状態で売られていますが、それは保存がしやすいように乾燥されているからなんです。
いわゆる乾物です。
皆さんは乾物は何処にしまいますか?
殆どの方は戸棚などの常温で保存されていると思いますが、封はきちんとされていますか?
乾物を保存する時は湿気などに気を付けて密閉容器やチャック式の保存袋に入れていると思いますが、その状態で置いておくと何年でも大丈夫です。
ただ、昆布は水分を吸収しやすく、雨の日などの空気中の湿気も吸収してしまいます。
当然、水分を含んだものを長くおいて置いておくと、カビが生えます。
カビが生えてしまったらたとえ賞味期限内でも使うことはできませんが、上手に保存して置くと、何年でも使えるんです。
実は、昆布は採れたばかりの新昆布よりも、一年以上寝かせた昆布がだしを取った時に味がまろやかにやさしい味になります。
寝かせる方がいいんですね。
どれくらい寝かすのが良いのかは、昆布の種類で様々ですが、20年以上寝かせた利尻昆布があるほどです。
羅臼昆布の場合は採れてから2年目~3年目が最も美味しいです。
買ってきた昆布を使いきるには結構長く掛かるのですが、賞味期限が過ぎるからと慌てて使い切る必要はない訳ですね。
売られている昆布の袋にはだいたい1年位の賞味期限が書かれていますが、法律上表記しなければならないのですが、2年も3年もの賞味期限にされないので1年位になっているということですね。
カビに気を付けて保存して、賞味期限を気にせず美味しく頂きましょう。
昆布に見られる白い粉の正体は?
長く保存しておくと、よく表面に白い粉のようなものがでてきますが、その白い粉の正体は何なのでしょうか。
空気中の水分を吸い取った後、昆布から出ていくときに一緒に栄養分も出て行こうとするのですが、その時に、水分は蒸発して消えてしまい、
栄養分だけが蒸発せずに昆布の表面に残ってしまいます。
つまり、昆布の栄養分が白い粉として表面に出てくるのです。
その栄養分は、昆布のうま味成分「グルタミン酸マンニット」というものです。
食べられない物ではなく、うま味なので洗い流してしまわず、軽く濡れ布巾で拭いてください。それで大丈夫です。
私も初めてみた時は、白いのだから塩分だと思い水道水で思いっきり洗い流してしまいましたが、それが栄養分と知ってからは、落としてしまわないようにさっと拭いています。そのままで使ってもいいですしね。
マンニットはカビとよく間違われますが、カビは丸く全体がふさふさした感じで、カビ特有の匂いがします。
カビ臭さが無い場合はマンニットなのでだしを取っても大丈夫です。
マンニットは、「糖アルコール」という甘味料などにも使われる物質の一つで昆布のうま味成分で最も多いグルタミン酸の一種です。
洗い流してしまってはもったいないですよね。
甘味料として使われるのであればきっと甘いはずと思い、舐めてみました。しょっぱかったです。
使い残りの昆布はどう保存すればいい?
売られている昆布はちょっと長めにカットされていますね。
昆布の長さは、長い物では10mほどにも成長するので、大きめにカットされているんですね。
だしを取る時は鍋に入るように短くカットしますが、その度にカットするのも面倒ではありませんか?
封を開けたら湿気が入らないように保存しなければならないので、密閉容器やチャック式の保存袋に15㎝~20㎝位にカットして入れておきましょう。
タッパーでも良いので、乾燥剤を入れてしっかり蓋をしてください。
毎日使う方は、乾燥剤を入れた瓶に入れておくと取り出しやすく便利です。
だしに使う煮干しなどと入れ物をお揃いにしてキッチンに置けば、見た目も良く、使い勝手もいいです。
乾物専用に、乾燥剤とセットになっているストッカーなども売られているので利用しても良いですね。
他には、真空保存袋でしたら戸棚に入れておいても湿気を気にすることなく保存できます。
北海道の知り合いから頂いた時は、60㎝位の長さで束ねられていたので、せっせと20㎝位にカットしてチャック式の保存袋に入れて戸棚に
しまっておきました。
幸い湿気が無かったので、3年くらい経ちますが美味しく頂いています。
また、しょっちゅうは使わないわという方は、冷蔵庫にいれておきましょう。
もしカビが生えてしまったら濃い塩水できれいになるまで昆布を洗って風がよく通る場所に干してよく乾かしてみてください。
それでもカビ臭さが残るようでしたら、残念ですが捨ててください。カビは食べられません。
まとめ
昆布は乾物です。湿気は大敵ですが、それさえ気を付けると何年でも使えます。
カビと間違えやすいマンニットをきちんと見分けて、しっかり使い切りましょう。