ひな祭りに欠かせない「甘酒」や「白酒」は同じ物なのでしょうか。なぜ二つのお酒
があるのでしょうか。
なぜひな祭りに甘酒や白酒が飲まれるようになったのでしょうか。
それには、中国の不老長寿という永遠のテーマの探究があったのです。
ひな祭りに甘酒や白酒が飲まれるのはなぜ?
かつて中国では、仙女を統括する西王母の誕生日に桃が一面に咲く桃園で
「蟠桃会(ばんとうえ)」が催されました。
桃は美しい女性の象徴で三千年に一度咲き実る不老長寿の仙桃があるとされていました。
さらに破邪と延命長寿の霊木ともされ、桃の花が流れる桃花水を飲むと300歳まで
寿命が延びると言われていました。
後に、中国から影響を受けた、奈良朝庭の貴族達は3月3日に小川に桃の花を浮かべた
杯を流し、詩をよむ「曲水の宴」を催しました。
きっと朝庭の女性達は、桃の花を浮かべたお酒を飲むと若さと美貌が手に入ると思った
ことでしょう。
そして、宴でお相手を探したことでしょう。今で言う「合コン」でしょうか。
厄払いと長寿のために飲まれるようになった白酒ですが、もちろんアルコールが入っています。
桃の節句は子供のためのお祝い事なので、子供でも飲めるようにとアルコールが入っていない
「甘酒」が用意されたのです。
甘酒は一日で作ることが出来る上に、ビタミン・ミネラルが豊富で健康や美容にいいので
女の子にはぴったりの飲み物です。
3月3日には、お子さんの健やかな成長を願って甘酒を用意し、お祝いしてあげて下さいね。
甘酒はどうやって作る?
家庭でも作ることが出来る甘酒ですが、
材料はシンプルです。
炊飯器やヨーグルトメーカーで温度調節をしますが、温度をしっかり保つことが
できれば失敗はあまりないと思います。
私の母は、おひつか何かにいれて毛布などでぐるぐる巻きにしてストーブの後ろ側
に置いていたように記憶しています。
初めて作る方は米麹だけで作る方法がおすすめです。
米麹とお湯だけで出来るので、「はや作り」と呼ばれています。
砂糖は一切使わないのですが、満足できる甘味が出ると思います。
他に、酒粕を使う方法もありますが、アルコール分がありますので、お子さんが主役の
ひな祭りには麹を使うノンアルコールのほうが良いかと思います。
では、作り方です。
材料
米麹……300g
お湯……300ml(60℃)
道具
ヨーグルトメーカーか炊飯器
温度計
ボール
ふきん
作り方
1.麹に55~60℃のお湯を入れ、混ぜる。
固まりが無くなるようにしっかりと混ぜる。
温度計を使って60℃よりも下がらないようにして下さい。
2.55~60℃を保ち、約6時間保温する。
ヨーグルトメーカーは温度管理が簡単です。
炊飯器は、保温モードにし、蓋を少ししあけて置く。
ふきんをかけて蓋をすると温度が保てるが、温度計で確認しながら調節する。
3.5~6時間程で甘い香りが漂ってくるので、よくかき混ぜると完成です。
そのままだと濃いようならば2~3倍に薄めて飲んで下さい。
白酒の作られ方は?
白酒はアルコール分が10%前後となるため「リキュール類」に分類され、酒税法により
家庭で作ることが禁止されています。
みりん(酒と砂糖が原料)などに蒸したもち米や米麹を入れて数ヶ月熟成させ、
出来たもろみを細かくすりつぶして作ったもの。
つまり、原料に酒が含まれているため出来あがった物がアルコール分が20度以上あると
いうことです。
さらに米や麹を加え発酵、という過程があるので酒類になるということですね。
1953年に制定された現在の酒税法では、違反すると10年以下の懲役または100万円
以下の罰金が科せられます。ご注意ください。
アルコール分が1%未満ならお酒にはならないので、酒粕を使っても、麹を使っても甘酒
はお酒にはならないのでご安心下さい。
まとめ
白酒と甘酒は同じ物ではないという事がわかりました。
白酒はお酒
甘酒は飲み物
家庭で簡単に出来て、子供と一緒に楽しめる甘酒はお祝いの席にはお酒がつきものといった
雰囲気を十分に楽しめる飲み物だと思います。
そうはいっても作るとなると面倒だわという方は、通販で子供と一緒に選んで用意する
といった方法もあリますね。
1年に一度の桃の節句を楽しい思い出と出来ますように。