青森ねぶたは８月１日から７日までの７日間行われますが、ねぶた運行は２日からです。
１日は「前夜祭」が行われます。
大型ねぶたが一堂に会して灯りを入れる。ずらっと並んだねぶたは圧巻です。
特設ステージでは囃子方のコンテストが行われ、否が応にも気持ちが高まってきます。
棟方志功も言いました「じゃわめぐ」んです。
見所はこれだけではありません。「バケトの競演」「ねぶた師の紹介」があります。
今回は「バケト」と「ねぶた師」にも注目してみたいと思います。
青森ねぶた祭りの前夜祭ではコンテストあり？
青森ねぶた前夜祭は８月１日開催です。
青い海公園に設置された「ねぶたラッセランド」で午後６時から９時までになっています。
ラッセランドはねぶたを製作するために設置された間口・奥行き約１２ｍ、高さ約６～７ｍの
「小屋」が参加する全ての大型ねぶたの数があります。今年は２２軒ですね。
前夜祭では
・バケトの競演
・ミスねぶた・ミスター跳人（ハネト）の紹介
・ねぶた師の紹介
・ねぶた囃子持久力コンテスト
・ねぶた囃子模範演奏
などが行われます。
灯りが入った大型ねぶたが真近で見られるのでこれだけでもワクワクしますね～。
中でも注目して頂きたいのが、
題名 ：入雲龍
制作者：北村 麻子
３００年続くねぶた史上初めての女性ねぶた師でデビューから５年で最高賞「ねぶた大賞」を
受賞しています。
力強さの中に女性らしい繊細さを感じるねぶたです。
他に「前ねぶた」と呼ばれる先導役のねぶたがありますが、企業のシンボル的な物（商品の形
や企業のロゴを入れたもの）や企業名を入れた小さなねぶたも見所です。
過去に「スターウォーズ」の前ねぶたが製作されたのですが、映画の宣伝になることと観光客
の増大に対応しきれないとの理由で運行が中止になったことがあります。
特設ステージでは、各団体の囃子持久力コンテストや模範演奏があります。
そして、バケトとねぶた師ですが、次章でご紹介しますね。
バケトは何をする人？
バケト．．．ねぶた版ピエロ
滑稽な格好と動作で祭りを盛り上げる役目
なので、「バケト」として認められるには
・白塗りをすること
・どこの誰かばれないこと
・祭りを盛り上げること
が必須条件になります。
化けるテーマはそれぞれで、時代劇や大河ドラマの登場人物や歴史的人物、お笑いタレント、
アニメキャラクター、海外の人気俳優などその時に話題になっているものが多いようです。
セーラームーンが流行っていた時は、セーラームーンだらけってこともありましたね。
本番まで何に化けるか明かさないのでキャラクターが被ることがよくあるんですね。
バケトを見るとその年に何が話題になったか分かるのも面白いですよね。
今年は何がモデルになるんでしょうか。
ねぶたは次のねぶたが来るまで結構時間があきます。
役員団→前ねぶた→跳人→ねぶた→囃子の構成です。その中でもハネトは約１，０００人程です。
その「間」を持たせるのがバケトの役目でもあるんですね。
一度化けるとやめられないという「バケト」、ちょっと注目してみてはいかがでしょうか。
今では「バケト保存会」があっていつでも入会を受け付けているそうです。
ねぶた師史上初の女性ねぶた師は？
「ねぶた」は人形型の灯籠なんですね。
一説によると、「咾眠性（しみんせい）脳炎」という恐ろしい眠り病を祓い流すために、太刀
を持った武者の灯籠を川に流したのがねぶたの始まりといわれています。
津軽弁で「眠い」を「ねぶて」、「ねぷて」と言います。
そこから「弘前はねぷた」「青森と五所川原はねぶた」になったのではないかと思われます。
眠って死んでしまう流行り病を祓うために、太刀を持った武者の灯籠を担ぎ
ねぶたコ 流れろ まめの脈コ 止まれ
（眠り病は流れて行ってしまえ 真面目な働き者はどこにも行かないで）
と囃子ながら跳ねながら練り歩いたんですね。
その祭りは祖霊の星を祭るために夜に行われたんです。（七夕祭りにも通じますね）
そんな儀式的なねぶたなので当然男たちの仕事で神聖なものであったはずです。女性が入り込
むなどありえなかったでしょう。
３００年続くねぶた師史上女性が現れなかったのもそのためかと思われます。
そんな中、北村隆というねぶた師の娘がねぶた師を志します。
相手にされないと思いながらもひたすらねぶたを研究し、努力した結果ついに２０１２年念願
のデビューを果たすのです。
その人が、初の女性ねぶた師 北村麻子さん です。
北村さんは現在、一児の母として育児とねぶた製作に忙しい毎日を送っていますが、２０１２
年のデビュー以来毎年製作しています。そして僅か６年で、３度の受賞を果たしています。
「平将門と執金剛神」
２０１６年 商工会議所会頭賞（優秀制作者賞）
「陰陽師、妖怪退治」
２０１７年 ねぶた大賞（最優秀制作者賞）
「紅葉狩」
（ねぶたの家ワ・ラッセに展示中です）
北村さんはこれからも女性の目線から、男性の荒々しさや美しさを追求していかれる事でしょう。
伝統を守りながら新しいねぶたを作っていかれることと思います。
まとめ
ねぶた師はねぶたが終わると次のねぶたの下絵を描き始めます。
５月頃から骨組みに取りかかり、本番直前まで製作にかけます。一台のねぶたに係る費用は約
３００万円から５００万円といわれています。
それも依頼がないと製作することはできないので、本当にねぶたを作ることが好きでないとで
きない仕事です。
囃子方やバケトもねぶた小屋が掛かる頃から準備を始めます。
前夜祭のねぶたに灯りがともる瞬間から青森人といっしょに燃え上がりましょう。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
