夏に起きるだるさ、食欲不振、眠気などの不快な症状は、クーラーが無い時代には「夏バテ」と言われきました。
クーラーが普及している現代では、冷気によるクーラー病が多くなっています。冷えを感じやすい女性にはとても辛く深刻な事態を招きかねません。
職場では自己対策が必要です。慢性化する前にしっかり予防しなければなりません。
夏バテとは違うクーラー病
クーラー病と夏バテ、どちらも症状は似ています。だるさ、頭痛、肩こり、下痢、食欲不振などです。ところが根本的に違うものなのです。
夏バテ
暑すぎたり湿度が高すぎる・温度差が大きい所の出入りが多かったりすることで、汗がじゅうぶんに蒸発されず体温が下がりにくくなる状態。昭和30年代以前は「夏負け」「暑気あたり」とよばれていました。
体が熱いと冷たいものが欲しくなります。水分を摂りすぎると胃の消化液が薄まり、食欲不振になり栄養が不足し体や内臓が疲れるのです。また、食事をすることで体温が上がります。冷たいものやあっさりしたもので体温を下げようとするため、栄養のバランスが崩れて内臓が疲れます。
夜の寝苦しさから睡眠不足になり、体が疲れるのです。「バテ」とは疲れ果てるという意味。気温が下がると回復します。
クーラー病
冷房で冷やしすぎる事によって、自律神経が乱れ体温調節に異常が出る状態。
だるさ、食欲不振、不眠、頭痛、肩こり、腰痛、便秘、下痢、女性はホルモンの働きにも影響することから生理不順、生理痛などの原因にもなります。
体温調節は自律神経がその役割をしてくれていますが、温度差が5℃位までが限界です。それを超えた温度差の部屋を行ったり来たりしていると自律神経が正常に働かなくなります。
1日中冷えたオフィスにいると寒さに対する感覚が鈍くなり、必要以上に体が冷えてしまいます。外との温度差が大きくならないように上着やひざ掛けなどで冷えから守ることが必要になります。体が冷えたままにしておくと、秋まで引きずったり慢性化する可能性があるので、注意が必要です。
冷えは男性と女性ではこう違う
男性は暑がり、女性は寒がりだとよく言われています。クーラーの設定温度が男性に合わせることが多い会社では、女性の寒がっている姿をうざいとまで思う男性がいることも事実です。
身体的な理由
女性が男性より寒がりだとされる理由に、身体の構造が挙げられます。
・男性より熱を作りだす筋肉が少ない
・熱を伝えない皮下脂肪が多い
・皮膚の表面温度が低い
・貧血や低血圧の人が多い
・月経の影響などで腹部の血流が滞りやすい
男性が暑がりなのは、女性より体が大きく、筋肉が大きいためです。デスクに座りっぱなしの女性に比べて、動き回ることが多い男性は熱を作りだすことが多く暑く感じます。
それによって皮下脂肪が少ない男性は、暑がりな傾向にあります。また、メタボ体型の男性も暑がりです。筋肉によって作りだされた熱は、熱伝導率が悪い脂肪にブロックされて外に出ることができません。いつまでも体の中にこもっているため、暑いと感じるのです。
服装の違い
オフィスでの服装を見てみると、男性はワイシャツにネクタイ、長ズボンに靴下です。さらに長袖のジャケットを着ます。いかにも暑そうです。クールビズが当たり前になっている現在でも、靴下は必ず履きます。
女性は、半袖のブラウスで襟もとは開いています。ベストは着ているものの、スカートにストッキングと足元は裸足に近いものです。
暑がりの男性が着る量が多く、寒がりの女性が着る量が少ないのです。男性からしてみると、寒かったら1枚多く着たら良いじゃないかと思うのは当然の事かもしれません。
クーラー病予防におすすめの方法
女性はクーラーの冷気から身を守らなければいけません。可能であれば、クーラーの吹きだし口の向きを変えてもらうか、席を替えてもらいましょう。不可能であれば、自己対策をしなければいけません。
接客がある場合
見た目を変える事はできないので、事務服の中に工夫をしましょう。
・下着を保温性の高いものにする
・カイロを貼る
・腹巻をする
デスク仕事の場合
・厚手の上着やダウンジャケットを着る
・羽織ることも出来る小振りのブランケットをひざ掛けにする
・ストールを首に巻く
・手首用のカイロを巻く
・レッグウォーマーを履いて足首を温める
・腹巻をする
ひざ掛けはお腹まで掛かるようにし、下半身だけでなくお腹を温めると全身が温まります。生理痛を和らげることも出来るので、ひざ掛けは大きめのものを使いましょう。
首、手首、足首を温めると効果的です。首の動脈は太いので、温められた血液が全身に回ります。手首は手足が冷たい末端冷え性の方にお薦めです。足首には全身を温めるツボがあるので、レッグウォーマーなどで温めると効果的です。
なんと言ってもお薦めは腹巻です。
この腹巻にはシルクが使われています。シルクの成分「セリシン」は、これまで取り除かれていた物質でしたが研究によって体に良いことがわかってきました。人の皮膚で一番多い物質が「セリン」。セリシンにはこのセリンが約30%含まれています。
高純度のアミノ酸系タンパク質で構成されているセリシンは、保湿機能・抗酸化作用・紫外線吸収作用があるので、肌が過敏な人のための化粧品や石鹸、シャンプーなどの他、繊維にも使われています。
夏に着ても蒸れにくく、冬は温かい、肌への負担も少ない天然素材です。化学繊維や毛糸は苦手な方には特におすすめします。
編み方も工夫されていて、お腹の部分はより伸びるニット編みに、脚の部分はフィット感が出るように編まれています。なので、サイズがウエスト・ヒップ100㎝まで対応できます。
沢山着こんだり、グッズをあれこれ使ったりすることなく、スマートに冷え対策ができます。一度お試し下さい。
まとめ
冷えの感じ方が男性と女性では、もともと元々違っています。女性冷えはホルモンにも影響し、深刻な事態になりかねません。
夏のオフィスは寒いものだと諦めてはいけません、自分に合った冷え対策が必要です。効果的に体を温める事は、ストレスを少なくすることにもなります。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。